
1. 不登校の子どもを持つ親が感じる「進路」への不安
不登校の子どもを育てているとき、親が抱える最大の不安のひとつが「この先どうなるの?」という進路の問題です。
今は学校に通えない状態が続いていても、いずれ迎える義務教育終了のタイミング。そのときに「高校には行けるの?」「将来、社会に出て働けるの?」といった不安が、ぐっと現実味を帯びてのしかかってきます。
「やり直せるよ」「大丈夫だよ」といった言葉では埋まらない、親としてのリアルな心配。それは、決して特別なことではありません。
2. 今、注目されている「通信制高校」という選択肢
そんなときに、ぜひ知っておいてほしいのが通信制高校という選択肢です。
通信制高校は今や、「不登校の子が仕方なく行く場所」ではなく、自分に合ったペースで学び、自分らしい進路を描くことができる場所として注目されています。
- 通学頻度を自分で選べる
- オンラインで完結する学習スタイルも
- 美容・デザイン・ITなど、専門的な学びができる
- 心のケアも含めた手厚いサポート体制
3. 通信制高校の主な特徴とメリット
✅ 自分のペースで学べる
通信制高校では、通学スタイルを柔軟に選べるため、不登校や学校に行きづらさを感じているお子さんでも、自分のペースで高校卒業を目指すことができます。
「オンラインで学びたい」「週に2~3日なら通えそう」「慣れてきたら毎日通ってみたい」「将来的には海外留学や大学進学も視野に入れたい」——そんな一人ひとりの状況や希望に応じて、学び方を選べるのが通信制高校の魅力です。
なお、通学日数やサポート体制は学校によって異なるため、事前の情報収集が大切です。
✅興味・関心に合わせたコース選択も可能
通信制高校の中には、美容師・プログラマー・イラストレーターなど、将来の夢につながる実践的な授業が受けられる学校もあります。進学や資格取得にとどまらず、「好きなことにチャレンジしたい」「子どもの“得意”や“関心”を伸ばしてあげたい」といった希望に応えるコースを選べるのが魅力です。
専門分野のプロフェッショナルによる授業が受けられる学校もあり、自分の興味や将来像に合わせて学び方を選べます。
✅ メンタルサポートや個別対応が充実
「不登校だったから、授業についていけるか心配」「友達とうまく関われるか不安」——そんな思いを抱える保護者の方も多いかもしれません。
通信制高校の中には、メンターと呼ばれる担当スタッフによる個別サポートや、スクールカウンセラー・心理の専門職が在籍して、生徒一人ひとりの心のケアや学習面の支援を行っている学校もあります。
不登校からの再スタートや高校卒業までを、しっかりと見守ってくれる体制が整っているかどうかは、学校選びの大事なポイント。サポート内容は学校によって異なるため、事前に確認することが大切です。
4. 昔と今ではここが違う!通信制高校のイメージ
「通信制高校って、なんだか不良っぽいイメージがある…」
「うちの子、勉強についていけるのかな?」
「人と関わらずに、ただ卒業資格を取るだけの場所?」
通信制高校に対して、そんな不安や誤解を持っている保護者の方も少なくありません。実際、保護者世代が学生だった頃は、「通信制高校=消極的な選択」というイメージが強かったかもしれません。
でも、今の通信制高校は大きく変わっています。
タブレットや動画教材を使った分かりやすい授業、オンラインでの交流イベント、登校型・在宅型・合宿型など柔軟な学習スタイルが選べる環境が整っており、むしろ「時代に合った新しい学びの形」として注目されています。
たとえば…
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タブレットや動画授業で、理解しやすい&自分のペースで進められる
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週1~5日まで、通学スタイルも自由に選べる
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オンライン文化祭や生徒同士のチャットなど、仲間との交流もある
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スポーツ・芸能・留学など、夢に合わせた学び方ができる
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スクールカウンセラーやメンターなど、心のサポートも充実
こうした柔軟な環境が、不登校を経験したお子さんにとって「自信を取り戻すきっかけ」になることも多いです。
「うちの子に合った場所が、きっと見つかる」——
通信制高校は、そんな希望が持てる選択肢になってきています。
5. まずは見て・聞いて・知る!合同説明会のススメ
「とはいえ、どんな学校があるのか分からない…」そんな方にぴったりなのが、通信制高校合同説明会です。
5月から全国各地で開催され、複数の学校が一堂に会するイベントです。以下のような情報を、一度に比較・検討できます。
- 学校ごとの特色・通学スタイル
- カリキュラムや専門コースの内容
- 不登校対応の実績やサポート体制
- 入試方法・学費・奨学金制度 など
また、当日は個別相談ブースもあり、スタッフに直接質問ができます。「見て、話して、実感する」ことで、親としても安心材料が増えていきます。
6. 未来を広げるカギは、親が情報を持っていること
お子さんが、すぐに進路の話をしたがらないこともあるかもしれません。
でも、大丈夫。焦る必要はありません。
大切なのは、親が「どんな進路の選択肢があるのか」を知っておくことです。
通信制高校、定時制、専門コース、オンライン学習──子どもが「動き出したい」と思ったときに、親が情報を持っていれば、迷わず背中を押してあげることができます。
たとえば、通信制高校の合同説明会やオープンキャンパス、個別相談会などは、保護者にとっても“新しい学びに触れるチャンス”。
入学時期を柔軟に設定できる学校も多く、「今すぐ決めなきゃ」と急ぐ必要もありません。
まずは、親が情報にアクセスすることから。
それが、お子さんの未来を広げるための第一歩になるかもしれません。
